食欲を読み解く ④中医学から見る食欲不振のトラブル

中医学から見る食欲不振のトラブル

食欲がない状態が続くと、「胃が悪いのかな」と考える方も多いかもしれません。
しかし中医学では、食欲不振を単なる胃腸の問題として捉えるのではなく、身体全体のバランスの乱れとして考えます。
同じ「食べられない」という症状でも、その背景にはストレスや疲労、冷え、体力の低下など、さまざまな要因が関係しています。

また、食欲不振に加えて、胃もたれや倦怠感、むくみ、気分の落ち込みなど、現れる症状にも個人差があります。
そのため中医学では、身体の状態をいくつかのタイプに分け、それぞれに合った養生や治療を考えていきます。
ここでは、臨床でよく見られる代表的な食欲不振のタイプについてご紹介します。

気の巡りが悪いタイプ

中医学では、ストレスや緊張が続くことで「気」の巡りが滞り、食欲不振につながることがあると考えます。
特に、忙しい日々が続いている方や、考え事が多く気持ちが休まらない方に見られやすいタイプです。

このタイプでは、食欲がないだけでなく、胸やみぞおちが張る感じがする、げっぷが増える、お腹が張りやすいといった症状を伴うことがあります。
また、気分の浮き沈みと食欲が連動しやすく、リラックスすると食べられるのに、緊張すると急に食欲が落ちるという特徴もあります。

中医学では、この状態を「肝」の働きが乱れ、胃腸の機能に影響を与えていると考えます。
食欲を回復させるためには胃腸だけでなく、心身の緊張を和らげ、気の巡りを整えていくことが大切です。

胃腸が弱りやすいタイプ

もともと食が細い方や、疲れるとすぐに胃もたれを起こしやすい方は、胃腸の働きそのものが弱っている可能性があります。
中医学では、食べたものから気や血を生み出す働きを担う「脾」の機能が低下した状態と考えます。

このタイプでは、食欲不振に加えて、食後の眠気、胃もたれ、軟便、疲れやすさなどが見られることがあります。
また、しっかり休んでも疲労感が抜けにくく、身体が重だるく感じられることも少なくありません。

暴飲暴食や不規則な食生活だけでなく、過労や睡眠不足も胃腸に負担をかける要因となります。
中医学では、胃腸は身体の土台を支える重要な働きを担うと考えられており、食欲を整えるためには、まず消化吸収の力を回復させることが大切だとされています。

冷えや疲労が重なるタイプ

食欲がない状態が続き、さらに身体の冷えや慢性的な疲労を感じている場合は、身体を温める力や回復する力が不足している可能性があります。
中医学では、このような状態を「陽気」の不足や「腎」の働きの低下として捉えることがあります。

このタイプでは、食欲不振だけでなく、手足の冷え、疲れやすさ、朝起きるのがつらい、下痢気味といった症状を伴うことが少なくありません。
また、温かいものを好み、冷たい飲食物で体調を崩しやすい傾向も見られます。

過労や睡眠不足が長く続くと、身体を支える力は少しずつ消耗していきます。
その結果、胃腸の働きも低下し、食べる力そのものが弱くなってしまいます。
中医学では、無理に食べることよりも、まず身体を休め、冷えを改善しながら回復力を養うことが大切だと考えています。

 

 

 


ご自身の健康状態を知るための「健康のものさし」は、「食事・睡眠・排泄」の三つから考えることができます。

「よく食べ・よく寝て・しっかり出す」

この三点は、日々の体調管理の基本です。

にじいろ鍼灸院 大船院は、中国伝統医学の理論をもとに、日本の生活習慣に合わせた鍼灸施術を専門に行う、鎌倉市・大船エリアの鍼灸院です。
症状のある部分だけを見るのではなく、体質や生活環境などを総合的に捉え、身体全体のバランスを整えることで、痛みや不調の根本改善を目指します。

施術は女性鍼灸師が担当し、鍼や灸を用いて本来備わっている自己治癒力を引き出しながら、気・血・水の巡りや量の乱れを整え、体質改善を通した健康づくりをお手伝いしています。
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