睡眠を読み解く;①なぜ人は眠るの?

人はなぜ「眠る」のか

睡眠は心と体を回復させる大切な時間ですが、「寝つけない」「途中で目が覚める」「朝すっきりしない」といった悩みを抱える方も少なくありません。このシリーズでは、睡眠のしくみを現代医学と中医学の両方の視点からやさしく解説していきます。

なぜ私たちは眠らないといけないのか

睡眠は単なる休息ではなく、脳と身体の恒常性を維持するための生理的プロセスです。
ノンレム睡眠中には成長ホルモンの分泌が高まり、筋肉や内臓、免疫機能の修復が進みます。
一方、レム睡眠では記憶の整理や感情処理が行われ、精神的な安定に寄与すると考えられています。
また睡眠中には脳脊髄液の循環が活発になり、老廃物の排出を促す仕組み(グリンパティックシステム)も注目されています。
これらの働きが十分に行われないと、疲労の蓄積や集中力低下、自律神経の乱れにつながりやすくなります。
質のよい睡眠は心身の健康を支える基盤なのです。

体内時計と眠気のしくみ

私たちの体には「体内時計」と呼ばれるリズム調整の仕組みがあり、脳の中枢が約24時間周期で睡眠と覚醒をコントロールしています。
朝に光を浴びると目から情報が伝わり、頭がすっきり目覚めやすくなります。
反対に夜になると、松果体からメラトニンという眠気を促すホルモンが分泌され、自然と眠くなる準備が始まります。
さらに、起きている時間が長くなるほど脳に疲労物質がたまり、眠気が強まる仕組みもあります。
夜更かしやスマホの光はこのリズムを乱しやすく、寝つきの悪さや途中で目が覚める原因になることもあります。

中医学から見る「眠り」の意味

中医学では、「陰」に「陽」が包み込まれることで「眠り」になると考えられています。
また、睡眠は単なる休息ではなく、気血が全身を巡り、五臓六腑の働きを調える大切な時間と考えます。
特に、「心」は精神活動を司り、眠りの質と深く関係するとされます。
心血が不足したり、熱がこもったりすると、寝つきが悪くなったり、夢が多くなったりすると考えます。
また「肝」は気血を蔵し、夜間に血を休養させる役割があり、ストレスや緊張が強いと肝の働きが乱れ、夜間に目が覚めやすくなることがあります。
さらに「脾」は食事から得た栄養を気血に変える役割を担い、脾の働きが弱ると疲れやすく、眠っても回復しにくい状態になりやすいとされます。
「腎」は生命力の源とされ、過労や睡眠不足が続くと腎精が消耗し、慢性的な不眠につながることもあります。

このように中医学では、眠れないという症状を単独で捉えるのではなく、臓腑のバランスや生活習慣、感情の影響まで含めて考えます。睡眠は体からのサインでもあり、日々の過ごし方を見直すきっかけになる大切な指標なのです。

「睡眠」は健康のものさしのひとつです

ここまで見てきたように、睡眠は脳や体を回復させる生理的な働きであり、中医学では五臓六腑のバランスを映す重要な指標と考えます。

寝つきが悪い、途中で目が覚める、夢が多いといった変化は、体の内側のリズムが乱っているサインかもしれません。

まずは生活習慣やストレスの影響に目を向けることが大切です。鍼灸では全身の巡りを整えながら眠りやすい状態づくりを目指します。

 


にじいろ鍼灸院 大船院では、鎌倉市で中国伝統医学の考え方をもとに、日本の生活習慣に合わせた鍼灸施術を行っています。
鍼や灸を用いて本来備わっている自己治癒力を引き出し、気・血・水の巡りや量の乱れを整えることで、体質改善を通した健康づくりをお手伝いしています。

また、ご自身の健康状態を知るための「健康のものさし」は、「食事・睡眠・排泄」の三つから考えることができます。

「よく食べ・よく寝て・しっかり出す」

この三点は、日々の体調管理の基本です。眠りの悩みや自律神経の乱れ、慢性的な疲労などでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
完全予約制でご案内しておりますので、鎌倉市周辺で鍼灸をご検討の方は、公式サイトの予約フォームまたはお電話よりご予約ください。