五臓六腑ってなんですか? 腎編
腎は「作強の官」と称されていて、精神や肉体の活動する力を蔵し、根気がいる細かい作業をやり通す力もになっています。また、体内にある水量も調節や呼吸(特に腹式呼吸)にも関与しています。
骨・骨髓・唾・耳など人体の組織器官や冬・寒・臓(貯蔵)も腎と関連しています。
<腎のはたらき>
- 発生、発育、成長、生殖の根源
- 津液を主り、全身の水液代謝を主ります
- 骨を主り、歯を形成します
<症状チェック>
- ちょっとしたことで驚きやすい
- いくら寝ても眠くなる
- 物忘れが多い
- 足腰がだるく力が入りにくい
- 耳の聞こえが悪くなっている
- 抜け毛が多い。または円形脱毛症
- 毛髮に潤いがない
- 肌の色が浅黒い
- 尿の切れが悪く残尿感がある
<暮らしかた>
- 季節を問わず、湯船でしっかりと身体を温める
- ウォーキングやジョギングなど、足の裏を刺激し身体が温まる運動を行う
- 防寒対策に気をつけ、体を冷やすことは避ける
- 塩分の取り過ぎに気をつけ、味の濃い料理は避ける
- ビールやジュースなど、冷たい飲み物の飲み過ぎに注意する
- 水分代謝を調整してくれる豆類を積極的に食べる
<膀胱の特徴>
人体内に取り入れられた水分は肺、脾、腎、三焦の働きにより、全身を巡った後、気化作用によって膀胱に集め貯えられ、尿として体外に排泄されます。
そのため膀胱は「州都の官」と称されています。
膀胱の機能が失調すると、排尿障害や尿閉、頻尿、失禁などの症状が現れます。
中医学では、体内にある臓器を五臓六腑と表現しています。
お酒を飲んだ時に「五臓六腑に染みわたる!」と身体の隅々にいきわたる表現をするアレです。
五臓は精を貯蔵している実質器官のことで、肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)があり、生命活動の中枢として機能しています。後に、心包が発見されて六臓六腑となります。
六腑は中空器官のことで、胆(たん)・小腸(しょうちょう)・胃(い)・大腸(だいちょう)・膀胱(ぼうこう)・三焦(さんしょう)があり、飲食物の消化吸収と水分代謝、排泄に関与しています。
西洋医学の臓器の名前と似ていますが、中医学では、単に体内にしまわれている内臓を指すのではなく、外部組織と繋がり合う機能や構造を表す広義の意味も持っています。
体表に現われる様々な生理的・病理的な現象にはこれらの臓腑が関与しているため、それぞれの臓腑の機能がどのような状態なのか、また各臓腑間での関連を考えながら症状の原因を考えていきます。
特に、肝は胆、心は小腸、脾は胃、肺は大腸、腎は膀胱、心包は三焦と姉妹のように表裏関係を持ち、強く協力関係を持っています。