本日から三伏天がはじまります!
中国では、1年のうちで気温が高く蒸し暑い日々、つまり真夏の時期を三伏天と呼びます。
「三伏」は、十干の「庚(かのえ)の日」が五行の「金」に相当している事と関係しています。
それにより、五行の「金」が「火」によって伏せられてしまう事(火剋金)から、「庚の日は、金が火に伏せられる凶日である。」とされています。
三伏とは夏の時期を3つに分類しています。夏至から数えて3回目の庚の日が「初伏」、4回目の庚の日が「中伏」、立秋後の最後の庚の日が「末伏」となります。
「天」とは、中国語で「日」と同じ意味です。
20019年の三伏天はこちら。
- 初伏:2019年7月12日~2019年7月21日
- 中伏:2019年7月22日~2019年8月10日
- 末伏:2019年8月11日~2019年8月20日
また、「伏」は潜伏するという意味からきているため、猛暑や酷暑から日陰や風通しの良い場所、静かな場所に身を隠し、穏やかに過ごすことを表しています。
胃腸の弱い方やもともと暑がりの方は、特に熱中症に要注意です。
食べ物では、酸味のあるものは汗を止める作用があり、苦味のあるものは身体の熱を取る作用があります。
ですから、酢や梅、柑橘類など酸味のあるもの、ゴーヤやケール、ピーマンなど苦味のある食材をつかって、夏バテの予防をしましょう。
また、キュウリやスイカなどのウリ科にも身体の熱感をとり、汗で失われた潤い成分を補給する作用があります。
冷やし過ぎてお腹を壊さないように適度に摂取してくださいね。
五行(ごぎょう)とは、自然界の事物を『五行=木・火・土・金・水の5つの物質』に分類し、その性質や関係性を明確にした東洋医学の基本となる考え方のひとつです。
<五行の性質>
- 木:曲直(きょくちょく);生長・昇発・条達・伸びやか
- 火:炎上(えんじょう);温熱・炎上・上昇
- 土:稼穡(かしょく);生化・継承・変化・受納
- 金:従革(じゅうかく);変革・清潔・粛降・収歛
- 水:潤下(じゅんげ);寒涼・滋潤・下行・降下
<五行の関係>
- 相生(そうせい)関係
相手を生み育てる協力的な関係のこと。(育成・保護・援助)
木→火→土→金→水の順に関係しています。例えば、木が燃えて火が起き、火から灰ができて土を肥やす。さらに土から鉱物が生成され、鉱物から鉱水が湧き上がるとその水は気を育てることができる。
という感じです。
- 相克(そうこく)関係
相手を抑制する制約的な関係のこと。(制約・抑制・支配)
木→土→水→火→金→木の順に関係しています。例えば、木は土の養分を吸収し、土は土嚢のように水の流れを抑え、水は火を消し、火は金(金属)を溶かして、金は木を切り倒す道具になる。
という感じです。
自然界を大宇宙、人体を小宇宙と観ている東洋医学では、自然界も人間の身体も同様の性質や動き方をするものだと考えています。
ですから、五行の考え方を治療に活かせば東洋医学ならではの治療方針を立て、症状の原因を探ることができます。